後味悪いマンガって好きな人多いと思うんですよね。
私もその一人なんですけどね。
今回は発想の源がおかしすぎてドン引きしてしまった作品集『藤子・F・不二雄SF短編[ミノタウロスの皿]』を紹介していきます。
作品紹介
SF短編とだけあって「ドラえもん」や「キテレツ大百科」のようなおかしな日常の話もあれば、ゾッとしてしまう後味の悪い話まである。なによりどの話もクオリティが高くアニメ化されているようなものまであるので全話読んでみてほしいのが本音だ。
今回はその中からのオススメを数作品紹介していく。
ミノタウロスの皿
出典 藤子・F・不二雄SF短編集<PERFECT版>1 ミノタウロスの皿 藤子・F・不二雄
主人公は未踏査空間を探索していたクルーの一員なのだが宇宙漂流の末他のクルーは全滅、救助を要請したものの救助班がくるのは23日後・・・。命からがら酸素のある星に不時着した主人公は偶然出会った人間と同じ見た目をしている女性ミノアと出会いここがイノックス星という星であることを教わった、彼らの文明レベルは低く食事も草や木の実ばかりだったがどうせあと20日もすれば迎えがくると食い物のマズさに不満を持ちつつも現地の生活に慣れ気楽に過ごしていた。ある日ミノアと湖畔に遊びに行った時の事、ミノアがきれいな花を主人公に渡そうとしたときミノアが絶叫したのだった。
藤子・F・不二雄作品の中でも悪名高い作品の一つ。検索候補の中にかなりの確率で「トラウマ」という単語が入るほどショッキングな内容となっているが、現代社会に対しての皮肉ともとらえられる作品ともなっている。なにげにアニメ化されている。誰得なんだ・・・。
ボノム -底ぬけさん-
出典 藤子・F・不二雄SF短編集<PERFECT版>1 ミノタウロスの皿 藤子・F・不二雄
仁吉さんは他人にいいように利用されてしまうほど人が良く、口癖は「すみません」のサラリーマン。新入社員は仁吉さんと話がしてみたかったらしく飲みに誘い、高架下のおでん屋で晩酌することにした。そこで新入社員は仁吉さんの身の上話を聞いてみることにしたのだが・・・。
個人的にこの短編集で一番ヤバいと思っているエピソード。実際身の回りでこんな感じの人っていそうなのが嫌すぎる。あまりの胸糞っぷりにできれば繰り返し読みたくない作品。オレノメンタルハボドボドダ。
ヒョンヒョロ
出典 藤子・F・不二雄SF短編集<PERFECT版>1 ミノタウロスの皿 藤子・F・不二雄
「さようなら!またこんどね‼」小さい子供のマーちゃんは円盤にのったうさぎちゃんから手紙をもらったとママに言ったが、嘘だと思われて聞く耳を立ててもらえなかったがパパに話して手紙を見せたところそこには下手な字でこう書いてあった。「ヒョロヒョロをください くださらないと誘拐するてす マーちゃんどの」
扉絵で出ているでかいうさぎちゃん自体はドラえもんの映画とかに出てきそうなデザインなのに話の癖が強い。終始ドラえもんみたいなノリの癖に最後は・・・。
劇画・オバQ
出典 藤子・F・不二雄SF短編集<PERFECT版>1 ミノタウロスの皿 藤子・F・不二雄
有名な「オバケのQ太郎」のセルフリメイク(?)作品。本編から15年経ち大人になった正太郎がある日帰路につくと後ろから声を掛けられる。そこにはかつての友人だったQ太郎が目の前にいた。再開を喜ぶ二人、正太郎は家にQ太郎を招くのだが・・・。
もし、久しぶりにあった友人がずっと子供のままだったら・・・?仕事や大人の立場を考えない人は実際世の中に多くいるものだがまさかそんなことをオバQで見る羽目になるとは・・・。大人になってからみるオバQがまさかこんなにもつらいものとは・・・。
国民的アニメ原作者の本来の姿
藤子不二雄先生といえば「ドラえもん」や「キテレツ大百科」など愛嬌ある見た目のキャラクターなどで知られる漫画家ではあるものの、それらの作品の裏では「21えもん」や「笑うセールスマン」などのブラックな作風のものも数多く手掛けていたりもする。実際たまにドラえもんでも「人間製造機」などかなりブラックな話があったりとたまに本性が出たりもしている。
総評
ドラえもんとかハットリくんみたいなSFコメディものを期待しているとボディブローをくらってしまう魔の作品集。絵柄はドラえもんなのに話が基本(精神的に)えぐいので閲覧注意かもしれない。
こんな人にオススメ
・ブラックジョークに飢えてる
・人の愚かな面が見たい
・人間ってクソすぎない?